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帯広市 M様宅

2018.03.03.Saturday:家づくり

先月HPでもご紹介いたしましたが、大野建設の3名でパッシブ換気の講習会に参加してきました。
大野建設でもパッシブ換気を採用した施工事例がありますので、工事一連の流れと共にそちらもご紹介させていただきます!

・基礎工事

1枚目の写真はベースコンクリートの打設風景です。施工を管理する立場として、鉄筋のピッチやコンクリートの出荷時間など、打設に立ち会い様々なことを確認します。

そして床下部分となる防湿コンクリートを打設していきます。鉄筋を置いているように見えますが、鉄筋は立方体の石の上に乗る形になっております。なのでコンクリートを打設した時に、鉄筋がコンクリートの中心部分に位置し、強度を出すことが可能なのです。

・建込み

この日はMさんご一家での塗装です!塗装した板材は天井に突き付けで使用されます。

土台が敷かれました。土台の材料には「ヒバ」という防虫効果のある材料を使用しております。基本的には防腐剤や防虫剤は人体への影響も考えて使用せず、防水施工やこのような材料の特徴を生かした施工を行っております。

建込みが行われております。こちらの住宅は木造枠組壁(ツーバイ)工法で建てられております。

外側に貼られている板材はOSBと呼ばれるものです。1枚板の構造用合板の代替品として使用されておりますが、こちらは細かな木の破片を圧縮・接着して作られています。経済的でもあり、小さな木材でも利用できるのでとてもエコな材料です。

・断熱、気密

付加断熱として外部に使用されているのは厚さ5cmの断熱材です。このタイプの断熱材は「押出法ポリスチレンフォーム」というもので、密度の高い発泡スチロールをイメージしていただければ近いと思います。切断も容易で施工性も高いです。水に強く吸湿もしにくいことから外側である住宅の基礎や、外壁の付加断熱に使用されることが多いです。

内部の断熱、気密工事も終了していますね。内部では厚さ14cmのグラスウールを使用しています。グラスウールとは読んで字のごとくガラスを繊維状にしたものになります。住宅の内側の断熱に仕様されることが多いです。

・パッシブ換気

さて、ここからパッシブ換気の説明をさせていただきます。
まずこちらは屋外に設置されている給気の管です。下向きに設置されていますが、このことによって虫の侵入などを防ぎ、風の影響も受けにくくなっております。そしてこの給気口から屋内に入った外気は床下にて温められることになります。

床下で温められた外気は、暖かい空気が上昇する作用により床下から居住空間へと出てきます。このような床下とつながっているガラリから暖かい空気がふんわりと上昇してきます。実際に手を当ててみるとやわらかく暖かい空気の流れを感じることが出来ました。

そうして床下から出てきた暖気は家の中に行き渡り、やがて天井まで到達し出てゆきます。その出ていく排気口とつながっているのがこちらの管になります。

先ほどの排気の管には白く四角い器具が取り付けられます。こちらはサーモフレッシュという器具になっておりまして、外気を検知し自動で弁の開き具合が変化する仕組みを持っています。これによって夏と冬の換気量を自動で調整する事が可能になるのです。

仕組みがどういったものなのか、内部を見てみました。
1の青い部分が熱を感じると収縮します。熱量が大きくなるにつれて収縮も大きくなっていきます。
2のレバーが1の収縮に応じて下に下がる仕組みになっています。収縮すればすれほど下に下がっていきます。
3の少し灰色の部分に2のレバーが引っかかり、レバーの下がり具合に応じて3が下がり、結果的に排気の穴が開いていく仕組みになります。写真では3が全開の状態ですね。

下から見るとこのようになっています。

こうした段階を踏み、図のようなパッシブ換気の流れが出来あがります。暖房で空気を暖め換気する仕組みになっているので、24時間換気のためのランニングコストは不要となりますね!
M様宅が開放的な間取りということもあり、パッシブ換気のシステムは非常にうまく循環しておりました。
お伺いしたのが強風の日だったということもあるのかもしれませんが、排気の装置からは風を切るような音が!どうしても家に居ると気になってしまう場合もあるので、今後の研究や施工などで改善点を見つけ出すことが重要ですね。

・完成

キッチンの煉瓦は1枚1枚職人さんが張り上げ、クロスでは出せない質感を演出してくれました。
開放的なリビングの南面に取り付けられた窓はフィンランドからの輸入窓で内部は木製のサッシになっております。窓を開いた写真を見ていただくと、一般の窓とは違う点がわかると思います。
内部から順に「ペアガラス」→「ブラインド」→「単板ガラス」→「網戸」と並んでいます。ペアガラス、単板ガラスと分けることで断熱効果とその持続性を生み出すことが出来ます。また、間にブラインドを付けることで、夏にブラインドが遮光し、ブラインド自体の熱が上がっても室内に熱が届かない仕組みになっているのです。

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