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住宅・都市計画見学 in Germany ④

2018.08.27.Monday:ブログ

ドイツの最後のお話は、サッシつまり窓枠のお話から始まります。
まず、こちらをご覧ください。

サッシの素材の種類を、お値段の高い順に並べますと、アルミ、木材、樹脂となります。
アルミは風雨に対する耐性が高いのですが値段が高く、木材もオシャレで素敵なのですが風雨に弱いのです。
そこで樹脂が一般的となっていることに頷けます。安くて耐性もあるということですからね。

さて、おやおや?この表にはもう1種類載っていないかい?と思っていた読者の方々、お待たせいたしました。
4種類目の外側がアルミ、内側が木材というこのサッシは、今ドイツで人気上昇中のサッシです。
このサッシは外側がアルミなので耐性が強く、内側が木材でオシャレに仕上がるので、
DIY好きなドイツ人にウケているようです。  ※詳しくは『住宅・都市計画見学 in Germany ①』を参照。

性能の良いサッシを使用し、気密性を求めてこんな商品も。

犬の首輪にセンサーが付いていて、犬が家と庭を自由に行き来できるという優れ物です。
ワンちゃんも快適ですね。
家の気密性が良いということは、換気設備も大事ということになっていきます。
でも、換気口が外に出ていると格好悪いし、壁も汚れるし嫌だなというのも本音。
そんな要望に応えるべく、できたものがこちら。

見えにくい位置、そして水切りの上に設置することで壁が汚れない工夫がなされています。
さらに、リフォームする際にも換気設備の設置の仕方に工夫がなされています。
例えば、キッチンの吊戸棚の中に換気設備を収納したのがこちら。

さらに、時には壁の中にパイプを納められない場合もあります。
それで、発泡スチロールのカバーをして目隠しすることができる商品がこちら。

これに色も塗ることも可能なので、さらに目立たなくオシャレに仕上げることができるそうです。
ドイツでは様々な工夫がなされていますね。


さて、ドイツのお話はこれにて終了です。
日本の建築の発展に活かせていけたらなと思う今日この頃でした。
End.

 

住宅・都市計画見学 in Germany ③

2018.08.20.Monday:ブログ

まず、こちらをご覧ください。

ごく普通のどこにでもありそうなアパートですね。
これがドイツの集合住宅3分の1モデルに変身します。
集合住宅3分の1モデルとは、1軒の集合住宅の中でそれぞれ3分の1ずつ、
分譲住宅、一般所得向け住宅、低所得向け住宅があることです。

このアパートの場合は、6階から3階に減築し、リフォームしました。

ベランダやスライド式の日差しも付いて、見違えるようになりました。
これで、分譲住宅としても買い手が付きます。
分譲住宅を造ることによって、建物に投資した人にもすぐにまとまった収入が入ります。
様々な人が一緒に住むことで、空き家も減らせるそうです。
一石二鳥ならぬ三鳥の集合住宅ですね。

 

では、話が変わりまして、次に見ていただくのはこの写真です。

昔懐かしの学校の渡り廊下ですよね。冬はとっても寒い場所です。できれば通りたくありませんね。
過疎化が進む町としては、子供が減らない工夫も大きな課題です。
そのために、親が子供を通わせたくなる学校作りに力を入れるのも1つの手です。

この学校はこうなりました。

渡り廊下は完全に室内になりました。
そして、校内の窓辺には子供たちが座って談笑を楽しめそうなスペースまであります。

まさに通いたくなる学校ですね!
さらに、断熱パネルを使うことによって学校休業期間中の短い工期での工事が実現したそうです。
もし授業中に工事をしていたら、好奇心の塊の子供たちは先生の話を聞いていなかったでしょうね。

今日のお話はここまで。
次回でドイツのお話は最終回です。
To be continued.

 

住宅・都市計画見学 in Germany ②

2018.08.06.Monday:ブログ

予告通り、今日は環境に配慮したドイツの都市計画について学んだことをお話します。

ずばり、その取り組みとは森林や畑つまり、自然を減らさないような都市計画を立てることです。
その点で、先日のサッカーワールドカップでも大活躍された、
あの選手の所属チームがあるドルトムント市の例があります。
これは同じ面積の中に建つ住宅の様子を、
日本の一般的な住宅街(左)とドルトムント市(右)で比較した画像です。

ドルトムント市では、1区画を4~5階建ての建物でくるっと1週するように建てられています。
真ん中は中庭のようになっていて、緑があります。なんと言っても、無駄なスペースがありません。
対して日本はごちゃごちゃしています。
住宅の間に細かく道路を作っていますし、家の大きさがまちまちなので、
デットスペースが生まれてしまっています。
それに、緑がほとんどありません。
さらに驚くべきことは、それぞれのここに住んでいる世帯数も比較すると、
ドルトムント市の方が多いということです!
こうして考えてみると、土地を無駄にしないドイツの姿勢が伺えます。
国土の中の市街地の割合は、日本は18%、ドイツは14%です。
ドイツは土地の節約が上手なんですね。
なんと、その秘密の1つは20年スパンで土地の利用計画を立ているからなんだそうです。
例えば、こんな感じです。

明確に建物を建てることのできる範囲が決まっています。
赤色のラインまでは絶対、青色のラインまでは可能という感じでです。
木を植える位置も決まっています。
特に人気のある町は、こうしたルールを厳しく決めても人口は減らないので、キレイなんだそうです。

ドイツのキレイな街並みは偶然ではないんですね。


さて、話は変わりますが、興味深い写真をここで1つ。

これは100人が移動するとしたら、どれほどスペースが必要かを移動手段別に表わした写真です。
徒歩で(右)、バスで(中)、そして車で(左)。
車に関しては全容が画面に納まり切っていません。
つまり、ここで言いたいのは車に乗る人が少なくなるなら、道路を少なくできるということです。
そうなれば、道路の維持費の節約にもなります。
そのためにドイツでは下階がスーパーマーケット、上階が住居という建物も造っているそうです。
買い物するのに車がいらないという環境づくりですね。

さあさあ、まだまだドイツの旅は続きます。
次回も興味深いドイツの建物を紹介していきますよ。
To be continued.

 

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